2009年6月11日木曜日

NHKまで村上新作宣伝の片棒をかつぎやがって・・・・


 昨日の夜のNHKニュースで、村上氏の新作「1Q84」が、すでに発売2週間で100万部の
ものすごい売れ行きです!なんてことをいけしゃあしゃあと筆頭の方に近い主要ニュースでやっていた。
 ときどき聞いている大竹まことのゴールデンラジオでも大竹氏が、読みだしたとのことで、当日
アシスタントの例の男噂の絶えない(いや、絶えなかったと言うべきか)ハーフタレントが貸してくれるように
せがんでいるのに貸さないのが、そのアシスから見るとケチなんだとかかんだとかという、やりとりに
なっていた。
 挙句の果てに、NHKニュースでは古書店に集まった初老女性の4~5人のうちのひとりが、
「私は20代から愛読していまして・・・・」なんてのたまう。
 本当に村上作品、そんなにいいのかい??

 大体、NHKよ。よく調べろ。初刷りが、上下巻それぞれ50万部なんだぞ。初刷りが書店に引き取
られたから100万部なんだろ。それに書籍は、委託販売じゃなかったかい。売れなけりゃ、出版社
が引き取るんじゃないの。

 村上作品をそうありがたがるんなら、登場人物たちのああいう生き方肯定してみたらどうだろう。
いやもっと早い言い方で言おう。自分の娘や息子に、どれだけの人間(いい歳の人たちに限ってだが)
が勧められるだろうか。もし、それも全然平気でできるって言うんなら、それは異常に背徳的な人格性も
許容できる、実に心のせまい、気が小さいと本当は世界で陰口をたたかれる日本人には極めて珍しい
進歩的人物なのだろう。私は、寡聞にしてそういう人たちは、あまり見かけてこなかったけども。
 別に村上作品が、どうしようもなくぺけだと言ってるのではない。
しかし、読み方を誤るととんでもない劇薬的文学なんだということをしらないといけないと思う。
 若い世代が、精神的に肉体的に受容力の旺盛なときに、一過性的に触れるのは、悪くないことだと
思うが、オールレンジの読者がこれこそ文学の神髄などというのは、ちょっとした異常事態か、あるいは
文学の名を借りたスノッビズムに他ならないのではないか。
 私は、村上氏に会ったら聞いてみたいことがある。「あなたは、もし孫ができたとして(村上氏は、夫婦
以外に家族なしとのこと)、孫がものごころついたとき、あなたは“海辺のカフカ”や“クロニクル”、
“ダンス・ダンス・ダンス”そして“ノルウェイ”をこれは、おじいちゃんが、書いたんだよって勧められますか」と。
あるいは、作品を創作するとき、ちゃんと時代考証やりましたか?ちゃんと専門用語の校正を
実施しましたか?登場する事物(植物の特性や乗り物の使われ方等々)を調べてみましたか・・・・・・など。
そういったネガティブな材料が山ほどありながら、読んでいて読み飽きない作品性にはまってしまう
読者のこれまでなんと多かったことか。ちなみにこの私も、1日300ページオーバーで連日、熱中した
のも事実である。 ただ私は、ある作品を最後の最後に読んだとき、村上氏は本来こういう書き方を志して
いたはずなんだと気づきそれまでの自分の不明を少々羞じた。それというのもエッセイ集や100のQ&A?
というタイトルだったかの記録を並行して読んでいて偶然思い当ったのである。

 やっぱり、村上さんは、あの賞是が非でも取りたかったんじゃなかろうか?って。
 私は、あの作品は本気で最初で最後、村上文学の神髄が出た秀作だと思う。あの賞を取るに
十分すぎるくらいふさわしい作品だと思うけど、やっぱり毛嫌いされたんだろうなあ。
 それで、もうふっきれたとういうか、キレたというか、もうやりたい放題、書きたい放題にその後の
作品を生みだして行ったんじゃないのだろうか。そういう意味じゃ、小説はうそを書くこと、そして
ある事象を空間移動させて、色んな角度からパースペクティブを与え浮き立たせることと言った
村上氏は、そのまま自分自身というか、作者自身をそのまま変換してしまったような気がしてならない。

 もっとも、村上氏自身をもとより批評するものではないことは、ことわっておかねばならない。
マルセル・プルーストは19歳ですでに「私は、文学作品と作者とを、別々の目でみなけりゃいけない
ということに気づき、それから(抵抗なく)そうしてきました・・・・・・」と言っているように、そこそこ文学
のことは不肖私もわかっているつもりであり、あくまで作品のコンテンツのみに限っての批評として
おきたい。エッセイや対談集など読む限り、きわめて良識的で好感のもちやすいお人柄の方である
というのは、誰もにもわかることだと思うしね。
 でも作品は、ちょっと考えものと思えるんだよね。オタク文化っていうか、いい意味のカルトっていう
範疇でとらえるべきなんじゃないかって気がしてしかたない。
 どう考えても、国民的文学とか日本を代表する文学って思えない。
 外国人が、読んだら日本人ってすっげーフリーSEXの社会なんだろうなあ、とか近くのアジア人が
俺も速攻で日本に行って、すぐやらしてくれる日本の女とやってみてー、なんて短絡しちゃいそうで。
 

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