を説明してみる。ただし、前回お断りしたように私のこれまでの経験と知識に裏打ちされただけにすぎな
いものだから、100%正しいかどうかまでは、言いきれない。ただし、それほど外れてはいないとは思う。
私は、ザ・掲示板でもダイノパック(日本ではダイナパックと言われる方が多い)こそ、駆動輪出力を
正確に表示するものだと、言い張ってきたが、どうもよーく調べると、ここ何年かで、その状況はまた
変わってしまったようだ。ダイノでも、シャシダイでいい加減に計測するのとまったく同じ方法で馬力
のかさ上げがカーンタンにできるようになってしまったようだ。
そう思い当たったのは、チューンドGTRダイノパックで609馬力計測!!というHPを見たのだけれど、
馬力表示みたいのが上下段2段になっていて、下は「489」(馬力)かそこらを表示していて、これも馬力
表示?に見えたのである。で、そのGTRの仕様だが、GT2835ツインの2.7㍑仕様、カムが260度前後だった
ように思う。私の経験では、この仕様で600馬力は無理だと思う。というのはこの間、書いた馬力算出方
程式のことになるのだが、609馬力出ているとすると・・・・
609=X×7000/716.6(260度台前後ならピークは、せいぜい7000rpmくらい)
トルクXは、7000rpmで63kgくらいなければならない。しかも。トルクピークを過ぎた回転数で。
(通常、ピークパワーは、トルクピークを過ぎた回転数で発生する)ということは、ピークトルクは、
70kg近い数字にならなけれならないはずである。
これは、2.7リッターでは、WRCなんかで使ってる、よほどの大容量シングルボールベアリングターボ
でもないかぎり、ブーストを2.2kg~2.5kgくらいかけないと出ないはずである。
そのテストでは、GT2835×2でブースト1.8kgとか出ていた気がする。
一口に609馬力というけど、実際に600馬力出ている車っていうのは、とてつもないしろものである。
私が公式戦ドラッグに参戦していたころ、そういうナンバー付きマシンを何台か見たけど、古ーいシャーシでさえ
11秒前後で走っていた。そして、そういうので公道走行は、とても困難と思えた。ただし、オー
ナーたちは都内でさえ、乗ってる?とのことだったけど。まあ夜らしいけどね。
ドラッグマシン目的でチューニングしたのでなければ、この仕様なら経験的に500馬力いくかいかな
いかじゃないかと思ったとき、さっきの数字が思い当たった。「489」or「498」が本当じゃないのか?
と。それで、いろんなダイノテストのサイトを見たり、レーシングファクトリーのフロントマネージャーにも聞
いたのだけれど、やっぱり馬力の数字なんか、今のデジタル式でも、いくらでもいじくれるというのが結論
だった。もっとひどいのは、90年代は、紙の上で計算していた!ようである。
結局、シャシダイもダイノも、個々の車体の性能変化確認をやるのには適しているけど、別々の車体の
馬力比較をやるには向かないということだ。もっとも、全く同じ条件で、前後して同じ機械で計測すれば比較に
はなるけども。ましてや、馬力自慢したり、他の車との比較で一喜一憂するのなんか全然意味が
ないのである。
わがC4ZR1の例でいくと、米国の準GMサイトが開設していたC4ZR1オーナーズサイトなんかには、
何十台ものC4ZR1のシャシダイ馬力、0-400m記録なんかが載っているけども、同じ車種にもかか
わらず50~100馬力近く低いシャシダイテスト結果の車の方が、全然いいタイムが出ているのがいくつ
かあった。
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結論から言えば、シャシダイもダイノもきちんと厳格に計測すれば、ほとんど同じ計測値になるはず。
ただしメーカーカタログ馬力よりは、かなり低い数字で。そこのところはまた次回に・・・・・・(続く)
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