全部書き出したら、本が1冊書けるくらいになってしまいそいそうなんで、ごく簡単に説明します。
ただし、私のこれまでの調べてきた、あるいは体験してきた経験からのもので、必ずしも100%理論的に
正しいとまでは言いきりませんが、それほど外れていないとも思っていますと前置きしておきます。
まず、エンジン出力の定義ですが
Xhp(ps)=(発生しているエンジントルク(a)×エンジン回転数)/716.6
で表わされるエネルギーのことです。
(a)・・・・・クランク軸から直立したバー(棒)(実際にあるわけではないが)1m地点で発生している
回転する重力
自動車メーカーが表示する原動機出力のおおよそで以前の日本のグロスhpでは、直接クランク
軸に発生しているエネルギーを測定するものでした。ただし、クランクから直接測定できない(直立
したバー(棒)(実際にあるわけではない)1m地点で発生している回転する重力)ですから、実際は
フライホイールに測定器を連結してクランク軸から1m地点でのトルク値(重力)に換算変換して算出
します。
これで発生トルク値が、検出されるので出力が、算出できるわけです。
この測定法は、動力計と言われる大がかりな装置を使って行うもので、日本ではメーカーくらいしか
ありません。米国では、チューナーやパーツメーカーでも多くが導入しています。
この測定法で、裸のエンジンそのままで計測するのがグロスhp、エアクリーナー、マフラー、場合に
よっては、さらにオルタネータも装着した(もちろんプーリーベルトも組む)状態で、より実走行に近い
状態でのエネルギーを検出するのが、現在主流のネット出力表示です。
以上が、自動車メーカーが表示している、より実走行に近い状態での該当する自動車のエンジンが
持つ最高エネルギー(馬力/トルク)ということになります。
では、シャシダイやダイナパックでのパワーってのは?となりますが、また次回に続きます。
****************************************
さて、いかにネットや自動車雑誌Web版などで、どれほどいい加減なことがまことしやかに説明
されてるか実例を見てみましょう。
事例1
質問者:トルクについて。トルクって、パワーのことですか?!。。。。。質問日時:2007/4/25 13:59:22
ベストアンサーに選ばれた回答(回答数:7) 閲覧数:5,737
ベスト回答者:まずパワーってのを出力と言い換えましょう。
それなら話が進むので・・・。
「トルク」と「出力」の違いってことで、以下に説明します。
さて、トルクですが、これは出力の中に含まれています。
出力を構成する要素は力とスピードですが、力のほうを「トルク」と言います。
(もう一つ重要なスピードのほうは「回転数」と言います)
で、トルクは何かといえば、エンジンが回転しようとする力です。
極端な話、1分間に1回転しかしない激遅エンジンAでも、F1以上の超高回転エンジンBでも気にしない。
単に回転しようとする力だけを見たものです。
それがトルク。
で、出力は、エンジンの実力全体を見たものです。
力とスピードの総合。
いくら力があっても、エンジンAのように回転が激遅では使えません。
いくらエンジンBのように超高回転でも、非力すぎては使えません。
だから出力を見る必要があるんです。
要するに、トルクだけ見た時点では、まだ実力はわからないということです。
出力がエンジンの本当の実力。
非常に大雑把な話をすれば、同じ出力ならトルクに関係なく車の速さは同じです。
(シフトポイントが同じとなるようなトランスミッションだった場合)
例えば出力が同じ100馬力のエンジンが2つあり、一方のトルクが10キロ、他方のトルクが20キロだったとします。
この場合、どちらを搭載した車も100馬力相当の速さであって、トルクは関係ありません。
(誤解が多いですが本当です。厳密には駆動系での消費量に多少差が生じますが・・・・)
なぜならば、20キロの方は回転数が半分=速さも半分のエンジンだからです。
ちょっと解り難いですね。
力持ちだが動きの遅いX氏と力持ちではないが動きの速いY氏の、荷物運び能力の比較と同じです。
ここでは車は荷物ですね。
アクセルを目一杯踏んだら、X氏もY氏もできる限り最大の力、最高のスピードで仕事してくれます。
X氏は力があるので、彼を搭載する車はミッションのギア比を大きくは設計しないでしょう。
よって、ミッション※によるトルクの増幅は小さめです。(=スピードの落ちも小さめです)
Y氏はスピードがあるので、彼を搭載する車はミッションのギア比を大きく設計するでしょう。
よって、トルクの増幅は大きめです。(=スピードの落ちも大きめです)
この時X氏とY氏が、結果同じような力とスピードでタイヤを回せる場合、両車同じ出力という事です。
つまり、トルクは関係なく、出力でほぼ車の速さは決まります。
(しつこいようですが、本当です。加速も最高速もです。)
※ ミッション・・・・・トルクの増幅装置です。中身はいくつかのギアですね。スピードの減衰装置とも言い換えることができます。
普段、多くの人が『トルク型のエンジンの方が速い』と感じるのはなぜだと思いますか?
それは、単にエンジンの能力を使っていないからです。
アクセルを床まで踏み込むことなんてほとんどないと思います。
仮に踏むことがあっても一瞬でしょう。
ほとんどの場合、2000~3000回転くらいで車を走らせてますよね。
要するに、エンジンの実力の重要な要素である『回転数』を使っていないのです。
誤解するのも当然ですね。
そもそも、カタログに載るのは、エンジンのデータですよね。
要するにミッションを通る前です。
ミッション次第でトルクは大きく変わります。(回転数を半分に落とせばトルクは2倍になる)
というわけで、ギア比を無視してエンジントルクだけを見たところで無意味です。
もちろん出力はミッションを通っても変わりません。
『トルクと出力』二つの意味は、こんな感じですかね。
回答日時:2007/4/26 04:35:29
これは、YAHOO知恵袋にあるものです。
トルクのことが、いまいちわかってません。ですから、出力もあいまいに理解してるのだと思われます。
出力でほぼ車の速さは決まります。
(しつこいようですが、本当です。加速も最高速もです。)
⇒ 同重量の負荷下で、最終減速比およびギヤ比が同じ、絶対的トルク値が同じ、トルクカーブが同じじゃないと、同じようには走りません。同じような車で同じような出力でもターボ車の方が、はるかに先に行ってしまうことの説明がつきません。
ちなみにこれまでのテーマとは直接関係ありませんが、例の最高権威雑誌が運営しているWEB版での、
かなりとんちんかんなQ&Aも見てください。回答は、そこの専門家ですよ。
笑っちゃいますね。ディーゼルエンジンの基本を全然理解してなさそうです・・・・・
事例2
質問者:
先日、ついにメルセデス・ベンツのディーゼルエンジン搭載車が日本にも導入されましたね。3リッターの排気量で211ps、55.1kgmというスペックですが、この最大トルクの数値はずいぶん大きいように思えます。メルセデスに限らず、ディーゼルエンジンは大トルクを発生させるようですが、それはどうしてなのでしょうか?(東京都HTさん)
回答:
お答えします。確かに、ディーゼルエンジンのスペックを見ると、ガソリンエンジンに比べてトルク値が大きいですね。ただ、ディーゼルエンジンだからトルクが大きいというのは、実は正しくありません。
現在使われているディーゼルエンジンは、まず例外なくターボチャージャーが組み合わされています。ガソリンエンジンでも、ターボなどで過給すればトルクは増大します。過給というのは要するに空気を圧縮してたくさん送り込むことですから、排気量を大きくするのと同じような効果があります。だから、当然トルクも大きくなるわけです。
ディーゼルエンジンはあまり高回転には向いていないので、低回転で大きなトルクが得られるようなセッティングにしています。ガソリンエンジンの場合は高回転でピークパワーを稼ぐという方法がありますが、ディーゼルはそれとは別の考え方をとっています。
以前はノンターボのディーゼルエンジンを搭載した乗用車が日本にもありましたが、これはパワー、トルクともに恐ろしく小さいもので、危険なほど遅い代物でした。でも、現在はターボチャージャーを組み合わせることによって、実用的で使い勝手のいいディーゼルエンジンが多く見られるようになりました。
もともと、ディーゼルエンジンは、ターボと相性がいいのです。ガソリンエンジンの場合、過給圧を上げすぎると自然発火で異常燃焼が発生してノッキングを引き起こしてしまいます。しかし、ディーゼルはもともとプラグがなくて自然発火を利用しているのですから、そんな問題は起こりようがありません。
最近のディーゼル技術は目覚ましく進歩しています。「コモンレール」によって常に高圧を維持することができるようになり、「ピエゾ素子」が噴射ノズルの細やかな制御を可能にしています。ディーゼルエンジンの騒音軽減と排ガスのクリーン化が進んできたのには、そんな背景がありました。ガソリンエンジンと違ってディーゼルはまだまだ研究開発の余地が多く残されていますから、これから驚くような技術が登場するかもしれませんね。
0 件のコメント:
コメントを投稿