2009年10月21日水曜日

ターボ車は、嫌いですか?(その2)

 前回、先の大戦では、米国の日本の戦闘機ではターボチャージャーが、採用されなかったとしたが、
自動車工学の歴史という上下巻の専門誌を読んでいたら、米国ではP38LとP41Dに採用したとのこと
だった。いずれも陸軍の戦闘機でロッキード社製になる。P38は、双胴の悪魔と言われ、大戦初期唯一
日本の戦闘機に立ち向かえた機種で、別名“ライトニング”。山本長官座乗の一式陸攻を待ち伏せ攻撃
をかけてしとめた機種でもある。また、米国での大戦時のナンバー1エース(撃墜王)ボング少佐、ナンバ
ー2エースマクガイア少佐の乗機でもあった。P41というのは、よくわからない。
 いずれにせよ一撃離脱戦術やロッテ戦法を駆使して戦った戦闘機だから、ターボエンジンでも問題なか
ったのだろうか。日本軍機得意のドッグファイトにも十分立ち向かえるとされたF6FやP51では、ついに
ターボエンジンは採用されなかった。そして、ついにレシプロエンジンの一線級の戦闘機では、スーパー
チャージャー方式が最後まで主流の座を占めた経緯になる。

 米国爆撃機で採用されたターボチャージャーは、自動車では1938年にスイスのメーカーの発明により
登場したというのが歴史上の嚆矢らしい。それでも、普及するのは戦後で、かなり早く60年代に手をつけ
た米国ではどういうわけか広まらず、70年代の国際レースシーンでの活躍により徐々に、欧州、日本
と広まることとなった。おそらく大半の人が、BMW2002ターボが、市販車のターボ第1号だと思って
いるのではないだろうか。

 日本でも1980年前後から、まず日産からターボ車がリリースされ、羨望のまなざしで見られていたのを
よくおぼえている。当時は、今とちがって3ナンバー車なんか乗っている人なんかひとにぎりだったし、
税金も確か3リッターで今の6リッタークラスと同じだったと記憶している。6リッターオーバーは、なんと
150,000円だった。バカバカしいたらありゃしない。そのバカバカしい車に乗っていたのだけど・・・・・
 当時、この不公平感を高級官僚になった先輩や大学の先生などいわゆる知識人達に、どう思うか聞
いてみたのだが、だいたいは日本の道路は狭いのだから、そんな大きな車を運転するなら、いたって
当然というような感想だった。なんて日本人は、馬鹿というか、官僚的というか、アホというか、ものの見方
が浅薄なのかと思ったものだ。もっとも、その感慨はそれほど今でも変わっていないけど、そのころよりは
多少ましになったかなという気がしないでもない。
 大体、2リッター5ナンバー枠34,500円と6リッターオーバー150,000円の差額になんの根拠があ
るというのか。実に4倍以上である!
 その後、80年代外圧(米国から)で自動車税は、現在のように細分化され低減されて今日にいたって
いるが、いまだに111,000円でもある。一時期、この超高額の自動車税をかわすため、広報宣伝車
やキャンピング仕様での登録が流行して、自動車税2~3万円前後の8ナンバー車がアメ車で広まった
ことがある。しかし、この8ナンバー登録偽装は、あまりにも増大したため当局に目をつけられ、ついには
警察に御用となった。もっとも御用となったのは、ユーザーではなく販売業者だったので、あまり世間
一般には知られなかったが、業界人なら誰でも知っていると聞いたことがある。事実、米国大型車を
扱っていた業者で8ナン登録をやったところは、社長ら代表者、工場責任者、が多数しょっぴかれて、
塀の向こうに行かされた人がそこらじゅうにいるらしい。

 私に言わせれば、そもそも自動車税の設定のしかたが駄目なのである。大排気量車に異常に高い
自動車税を設定し、さらに暫定割増税率をずっ適用した重量税を放置している行政組織に批判の目が
向かなかったというか、一蓮托生だった政治に大いに問題があったのだ。

 だいたい軽自動車と大排気量では、走る道が違うとでも言うのだろうか?大排気量が走れば、小排気
量車は、どいてくれるのか?さんざん、大排気量に乗ってきたけど、高速道路以外では、税負荷の分の
メリットなどまったく無いに等しいと感じている。

 こういう日本のバカな状況で、ではどうしたら自動車税をおさえて、パワーにゆとりのある車に乗れるの
かということになる。ターボだ。まちがいなくターボである。これしかない。それは、言いすぎか?いや、
極論すれば、ターボにいきつく。いくら、優秀なNAだって、それなりのパワーを出すには、4リッターは
必要だ。それを5ナンバーにいくらか盛った程度の自動車税で補えて、しかも大排気量なみのクルーズ
ドライブが可能なためには、ターボに限る!
 当初、それは排気ガス規制でパワーダウンしたエンジンがパワーを取り戻す手段にもなった。ただし、
なぜか、それを言うのはタブーであり、メーカーの広告は、省燃費!だった。驚くのは、80年型ファイ
ヤーバードトランザム301CID(4.9リッター)ターボのキャッチコピーにもそれが、使われていたことだっ
た。(つづく)

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