2011年2月21日月曜日

不埒なランサーRSエボルーションⅧかⅨMR野郎をへこます・・・・

私は、昔から基本的に、ちょっと速い車に乗って、周囲をあおったり危険きわまりないことをやる
やつが大嫌いである。そういやつは、かなり昔からいた。わたしがまだ小さいころ、家族で親父の
運転する車で出かけた時のことだ。窓をあけて外をのぞいていると、猛スピードでわが家族のコロナ
バンをぶちぬいていったベレGがいた。そしてなんと、しばらく行ったスタンドでそいつと彼女に出くわ
したのをいまだに覚えている。もちろん、片側一車線とはいえ、当時のことだから、追い越し禁止で
はなかったろうと思う。親父だって別に動揺した様子も見せなかったし、給油に寄ったスタンドでも
、なんらそいつなど意識せず笑みをうかべて楽しそうにしていたのを覚えている。自分だって、べつ
になにも意識はしなかった。ただ、ものすごいスピードで前を走り去ったスポーツ車みたいのがいた
ということくらいだった。それなのに、なぜ今でも覚えているかというと、そのベレGがその時は、普通
の車とは違う日本車離れしたかっこいい車に見えたような気がしたのと、その目のくぼんだ20代半
ば前後のお兄さんが給油係りに言った耳慣れない“ハイオク”という言葉が印象的だったからだ。
その後自分が運転をするようになり、競技やレースにもエントリーするようになった時思ったのは
家族満員の車は、よほど慎重にしてあげねば可哀そうだ・・・・というものだった。それからというもの
おそらく昔は、あんな兄ちゃんだったろう・・・と思わせるような先輩運転手を見つけると、結構お返し
をしたくなったものである。


ことほどさように、昔からバカないきがりGTドライバーというのはいるにはいたのだが、特に80年代
前後から顕著になったと思う。中でも自分の車の性能が、目をつけた相手より上回ることをいいこ
とにいやがらせし放題をやるバカ、こういうのはターボ車が普及してくるとともに繁殖した気がする
が、私は個人的にはこういうバカは早く死んだほうがいいと思うくらいだ。しかし、そういう連中も、C
ARBOYやOPTIONの影響で、走り屋という名誉の称号を与えられて一時ずいぶん、素行がよく
なったものだ。少し前まで、よく休みの早朝や夕方などの高速でサーキットか峠帰りの走り屋の車らしきが
第1走行車線を制限速度以下でおとなしく走ってるのを見たものだ。


ところが、ここ最近また、一時の改造車ブームが過ぎて、もはや走り屋なんてIT時代前のムーブメ
ントになってしまったのか、またしても改造車乗りの専横きわまりない品行を見ることが多くなった気
がする。と言っても、GT改造車の絶対数が激減してるのだから、、以前に比べれば1/10くらいかも
しれないが・・・・・


私は、仕事柄、深夜車で帰宅することが多い。そのせいかもしれないのだが。


ちょっと前のことになるが、仕事の帰りだった。わたしが通称ワープ道路と言っている○○西道路という
ところを走行中、信号で止まっていると後ろに、なにかしらのオーラを発してる車がつけてきた。
青になって走りだす。しばらく行くと、両側が高い防音壁で囲まれた片側2車線のほとんど高速道路
のようなところにさしかっかた。ここから2kmくらい信号のない、自動車専用道路である。この日は
日付が変わったばかりだったと思うが、いつになく、車線に大型トラックが多くじゃまだった。特に
何台か前を走る追い越し車線の先頭トラックが後続を塞いでいる。何台か、左側車線によけて
抜いていったので、わたしもそれにならうことにしたが、いかんせん、タイミング的に左から抜ける
タイミングではなくなってしまった。それで観念して、また右側追い抜き車線に戻ったのだが、その
際十二分に車間を確認しているのにかかわらず、さっきの車が猛然とつめてきた。よくいるバカで
ある。なんら問題のない気をつかった行動でも、てめえの都合、気にいるかいらないか、ただそれ
だけで、相手の方が弱いとか遅いとかと見込んで仕掛けてくるバカ、昔から連綿と生息するそういう
下郎だ。
あまり気にせず走行してるとしばらくして左側から急加速して、スワーブしながらあっと言う間に、
先行車を数台抜いていった。リアビューを見送りながら、アルテッツアか?と思った。色は黒に近い
濃紺。大きなマフラーをつけていた。挙動は、レーシングサスが入ってるような感じはしないが、
ほとんどロールしてない。強化サスか?


3~4年前までならこういう目にあっても、ほっておいたのだが・・・・最近、こういう車に乗ってる連
中とおそらく同世代と思われる30歳前後~35歳前後のいわゆる団塊ジュニア世代の連中と仕事
をすることがけっこう多くあって考え方は変わった。事業所でリーダー格とかキャプテン格の連中だ。


昔のモードに火がついた。5速から3速にシフトダウン。レブが一気に跳ね上がり、すさまじい
加速が周囲を包む。それでも、まわりには最大限の配慮をしてスワーブする。ものの十数秒で、
さっきのバカが見えてきた。相変わらず、先行車を次々にかわしていくが、そこはこんなまねをする
ど素人+ノーマルに毛が生えた程度の車だから、レースカーのようなキレはない。一瞬で見切った。
開けたところに出ると、まわりの車もいないのにのうのうと追い越車線を突っ走っている。そこで、こ
こぞとばかりに、3速で思いきりよせてやった。
と、あっけなく、こいつは戦意喪失状態になってしまった。なってくれたはいいが、こっちはフル加速
だったのであやうく追突するところだった。このあいだのR34チューンドとはえらい違いである。
戦意喪失を見極めて、左から抜きにかかるとレブにあたってしまった。いやあ、こんなに出てたの
か?ノーマル車なら、たしかにこんな速度域で一般道で猛追されるなんて経験ないだろうなあと思い
ながらシフトアップする。先行してから速度は落とした。そしてミラーの中で行動を観察する。今度は
えらく神妙だ。もう、勘弁してくれ、といったところか・・・・


ところで、ここは覆面とネズミ捕りのメッカなのだが、大丈夫か??冷静になって、こわくなってきた。
うーん、やばい。やばい。しかし、もうあとの祭りだ。なるようになるさ・・・・と思って、ネズミ捕り
ポイントを過ぎる。セーフ!フー・・・・・
ゆるいカーブを下って信号へ、しばらく車間をとってやけに神妙になった後続車がついてくる。そして
信号にならぶと、こいつは手前のわき道にそれ、そこからショートカットして逆方向の車線に出て、
左折して信号をすりぬけて、思いっきりエンジン回転を挙げて悔しそうにテールを左右にドリフトさせ
ながら先に行ってしまった。
そのとき、アルテッツアだと思っていたのに、ハイチューンドタービンのウェイストゲートの音がして
たのと、ドリフトのときのトラクションがAWDみたいな感じがしたので、かなり違和感があった。FRで
あのドリフト制御だとすると、こっちの勘ちがいで、相手はまあまあテクニシャン+車もばっちり、
ということになるのだが・・・・・


家に帰って、頭に残ってたリアビューを元にネットで探してみる。ターボ車、車高高い、多分2リッター
クラス、はじめはインプレッサをやたら捜したが見つからず、アルテッツアは、もう全然形がちがっ
た。で、やっと見つかったのが、これである。これに多少エアロがついて、マフラーが95くらい
のがついていた。


あれからこいつは、しばらく寝込んだことだろう。1週間は寝込むと、昔は言われたものだ。自慢の
愛車があえなくぶっちぎられると・・・・。そして急速に自分の車に興味がなくなる、あるいはチューニ
ング地獄にはまっていく。それまではこわくて得体の知れない車には仕掛けられなくなる・・・・・・走り
屋とは、そういうものだ。そんなことに大金と若い数年間を無駄にして、結局はたいして速くもなら
ず、速くもなれず、タダのオヤジになったことを悟り、車を手放す。それが関の山だろう。


なんであんな20年近い昔のみすぼらしい車のほうが速いんだって、嘆いたことだろう。あの挙動、
あの車って・・・・・さぞかし悩んだことだろう。


補足:ふだんの私は、相手にもよるが心やさしいきわめて模範的ドライバーである。もう15年くらい
無事故無違反である。念のため。












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